「花とアリス」
「花とアリス」観てきました。
そういえば、もう少しで、本当に桜の季節到来ですね。
こういう感想って、見てない人もいるからあんまり細かいこと書いてもいけないんだろうけれど、そのあたりの塩梅が良く分からないので、もう、書いてしまいます。ので、これから観に行く予定のひとは、読まない方がよいかもしれない(笑)
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舞台は、日本のどっか。「どこか」ではなくて「どっか」。
前作の「リリイ・シュシュのすべて...」と同じく、どこか北関東あたりなのだろうと思うけれど、どこにでもありそうな、どこか懐かしいような、そんな町並み。映画の雰囲気で惹かれて実際にロケ地に行ったとしたら、確実にその平凡さに失望して帰ってくるに違いない、そんな日本のどっか。
登場人物は花とアリス。二人は仲良しで、いつも一緒。でも無謀な嘘をつきはじめてしまって、どうもおかしくなってしまう。まあ、もとはといえばアリスのせいなんだけどね。それに、ストーカーまがいのことしてたんだから、ついでに嘘くらいついてもバチはあたらないし。だって恋ってそういうもんでしょう?
そんな二人だから、同じ人を好きになってしまったり。海辺でつかみあいのけんかをはじめてしまったり。でも、やっぱり結局二人は仲良しで、いつも一緒。それに嘘なんていうものはいつかはばれてしまうのだ。大それた嘘であればあるほど、なおさら。
そうして、そうこうする過程で、ブレザーの制服を「似合わねー」なんて言い合っていた二人も少しづつ大人になったりもする。普段はお気楽にじゃれあってるようで、それなりにいろいろあったりするんだと、そんな一面も垣間見えたりする。
・・・なんだかこう書いてしまうとそのへんに転がってそうな話。でも、そんなあらすじ的なことは、この映画にとっては全く本質的ではないのだ。だから、最初の方にネタバレ注意みたいなことを書いたけれど、これを読んでしまっても十分楽しめるに違いない・・・(笑)
なんというか、ただそこにいて映画を観ていること自体が、ただただ心地よいのだ。
そして、自分が女子高生だった頃のことをふと、思い出してしまう。もちろん、私は男だから女子高生であったことなどあろうはずもないのだが・・・。でも、この際そんなことはどうだっていい。とにかく、「思い出して」しまうのだ。あんなにみずみずしい日常を過ごしていたひとなんて、実際に女子高生であったことがあるひとでさえ、そうはいないだろうけれど。でもそんな、女子高生だったことのあるひとも、とにかく、「思い出して」しまう。そして、何ともいえない気持ちになる。
文章力のある人は、青春のナントカだとか、胸がナントカだとか、そんな感じでそれらしくうまく表現するのだろう。でも、文章で表現しようとすること自体が、ぼくには愚かな試みにうつってしまう。まさしく、あの映像でしか表現しようのないものが、たしかにそこにあった。そして、その感覚は不思議と見終わってからもさらにじわじわとやってくる。
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特に、最後の見せ場は、時間がとまります。とにかく美しくて。広末涼子が引き立て役になってしまうくらいだから、相当なもの(笑)。「感動」というとまた違うのだけれど、とにかくずっと見続けていたいと思った。
まだ観に行っていない人は、是非。