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August 27, 2004

マイケル・ムーア、華氏911

何かと話題の『華氏911』。マイケル・ムーア監督で、主演ジョージ・ブッシュ(?)。見に行ってきました。話題になっているだけにあまり期待しないようにしていたのですが、割と面白かったです。

筋は、まあいろんなところで断片的に聞いたり読んだりしたことのあるような話がメイン。ブッシュとサウジの関係とか、イラク戦争の裏にある事情とか。手元にある宣伝のチラシには「誰もみたことのない衝撃初だし映像満載!!」とか書いてあるけれど、別に9.11の裏の恐るべき真実が明らかに!とか、そんな大袈裟なものでは全くない。だから「おお!そうだったのか!!」なんて感じの感動もないのだけれど、でも映像をつなぎ合わせてムーア自身の語りでストーリー性をもって提示されると、それは思いのほか興味深くて面白かった。

もちろん、いろんな映像を持ってきてそれを都合よく繋げればどんなストーリーも出来上がってしまう点は気をつけなければなるまい、とは思う。それに戦争の現実を突き付けられれば、誰だって衝撃を受けるし、悲しいシーンを見せられれば、誰だってもらい泣きしてしまう。だから映画の最後に後ろの方ですすり泣いているひとがいるのを聞いた時、それはなんだか何か違うと思った。でもじゃあ、逆に映像を巧みに使ってひとを動かす、ただのプロパガンダ映画なのかといえば、たぶんそれだけでもない。

ドキュメンタリーとしてはまあ、そんな感じ。しかしそういえばこの映画は政治とは関係なく、「単に映画として面白かったから」カンヌで賞をもらえたんでしたね。その点に関してはというと、まあ、たしかに面白かったかも(笑)マイケル・ムーアのあの独特の小馬鹿にした感じが炸裂していて、くすっと笑ってしまう語りやエピソードが沢山あり、かと思えばイラク戦争で兵士として子供をなくした母親にもらい泣きしそうになったり。

笑ったり、泣いたり。まさにエンターテインメントですよね。あの題材でのドキュメンタリーが同時にエンターテインメントたりうるというのはすごいことなのかもしれないとは思います。ただ心置きなく「楽しんで」しまったりは、絶対できない。それはおそらく、フィクションではなくて(どんなに政治的に偏っていると片付けてしまおうとしても、少なくとも個々の映像は確実に)「現実」だからでしょう・・・。


ちなみに、英語が分かると分からないでは楽しめる度合いがすこし違うかなぁ、という感じが多少ありました。字幕も難しいところを頑張っているのですが、細かいニュアンスのネタが伝わっていなかったり。あと個人的には背景で流す曲の選曲が面白かったのですが(曲調と、その歌詞と映像の関係)、そのへんはさすがに字幕だけ見てると全然分からないのですよね。あれは残念。


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[Movie]  華氏911(マイケルムーア監督作)
概要 これは映画というメディアを借りた、 ある作家の怨念であり、 (独断ではあるが偏見ではない)意見書ではないか。 カンヌで賞を獲ってしまいましたが、 この作品に「映画的な評価」を下すこと自体、無意味では ...
ウェブログ: タイで想う日々の日記
時刻: August 27, 2004 12:44 AM
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