ないはずのエントリが・・・
ここのMovable Typeのデータベースも随分大きくなってきてしまったので、かなり前にどうでもいい記事を削除したりと一回整理を行ったのですが、本日ないはずのエントリにコメントをいただく、という不思議な事件が発生。
なーんでだろう、と思っていたら当たり前のことでした。データベースを変更しても別に動的生成というわけではないのだし、存在しているファイルは動いたり消えたりしないんですね。大掛かりな変更を行う場合には、いったんアーカイブを空にしてからrebuild。迂闊でした。
なんですが、せっかくコメントをいただいたのに消去するという非常によろしくない事態になってしまったので、コメントされた「ぴょん」さんはたぶん個別のページに検索エンジン等から飛んできた方だと思うのでここは見てないかもしれないけれど、一応リプライ。
「法科大学院の定員割れも医学部の新設不可や定員削減も、御身かわいさから出る低次元の発想が元になっているのではないでしょうか。競争に敗れた弁護士や医師が他の職業に就くこともよしとするくらいの世の中にならないと、本物の司法界や医療界は完成しないと考えます。」というコメントだったのですが、なんとなくは同感です。
ただロースクールの定員割れも医学部の新設不可や定員削減も、「競争に敗れた弁護士や医師が他の職業に就くこと」とは無関係のように思います。というのも、まずロースクールを卒業して弁護士になれない人は「競争に敗れた弁護士」ではないからです。またロースクールに関して言えばそこで問題となっている「御身かわいさ」の「御身」は法曹の問題というよりも大学間の淘汰の問題であるように思います。
基本的には法学部卒業の者が一定のレベルに達していれば合格できるような資格試験にして、あとは競争してそれで食えない方は別の仕事に就くというのが一番いいのではないかと思います。それが出来ないことの一端はもちろん「御身かわいさ」に由来するのでしょうが、しかしロースクールの話の場合はそれよりさらに複雑な別の問題です。
今のロースクールの制度は相当妙なことになっていて、(2年/3年かかる)法曹養成のプロセスに組み込んでおきながら、その中の一定の人しか制度的に法曹になれないという仕組みです。これは「弁護士になる前に必ず競争に敗れる人が半分以上いる」制度であって、「弁護士になってみたけど競争に敗れるかもしれない」世界とは訳が違います。これは結局人を不幸にするだけで、そこで破れた人に「他の職業につく事をよしとせよ」というのは非常に酷であって、最初からそんな中途半端なところで放り出すような制度にしなければ済むはなしのように思います。
医学部の場合は、医師国家試験は競争試験ではないですし、脱落した医師の方に他の職業についていただくという発想はありうるのかと思いますが、そこでも医学部の定員の話と繋がってくるのかどうかはよくわかりません。学校経営上の競争が適正な教育水準維持の上でもたらす悪影響(というと、既得権を守る側が持ち出しそうな訳の分からない論理にも思えますが、そういう配慮もないとはいえないでしょう)とか、6年以上もかけて育成した人材がすぐその道では役に立たなくなるような制度は非効率だから何か考えた方がいいとか、いろいろ考えるべき点はあるのでしょうが、あまり考えた事もないのでコメントしないでおきます。