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Winny開発者逮捕

Winny開発者を逮捕へ 京都府警、30代東大助手 国内初(Yahoo!ニュース)

東大助手だったんですね・・・。
しかし、なんだかおかしい気がしますね。

記事によると開発者としてはかなり確信犯のようなので、そのあたりも含めて「見せしめ」的な逮捕ということなのかもしれませんが、ファイル共有ソフト自体をもって著作権法違反の幇助というのは法律論として成り立つのかどうか。

ちょっと考えてみます。

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で、ちょっと考えてみました。(5/11追記)

・・・考えてみたのですが、当初の感覚に反して、法律論的には普通に成り立ちそうですね。

しかし、どことなく残る違和感の原因はおそらく、今回のケースと違って、例えば「著作権侵害の幇助を意思を全く持っていない者が同様のソフトを開発したところ、意に反して著作権侵害のために広く用いられるようになった」というようなケースを意識してしまうからなのでしょう。。

コメント (3)

wild duckling:

成り立ちそうな気がするもののどこか違和感が残る。
同意ですね。

(積極意見)
著作権法違反行為を容易にさせることを認識しつつソフトを開発したわけであるから、故意はある。

(消極意見)
著作権法違反行為を容易にし、これに利用される可能性があることを全く認識せずに、同一のプログラムを開発した場合は犯罪とならないのであるから、これは開発者の思想を理由とした摘発である。

(積極意見)
例えば、目の前に人がいることを認識し、その人に危害を与える意図でバットを振り回しその人に怪我をさせたのであれば傷害罪となる。
一方、周囲に人がいることを知らず単なる素振りをしていたところ、子供が不要に駆け寄ってきたためバットが当たって怪我をさせてしまったという場合は、過失半処罰の可能性はともかくとして、犯罪ではない。
両者の客観的行為は全く同じであり、取り扱いが異なる理由は行為者の主観のみにかかるが、これをもって思想による摘発を非難する人はいない。従って、その批判は当たらない。

(消極意見)
幇助犯の故意の議論に対して正犯の故意の議論を持ち出すのは不適切である。
そもそも正犯と比較した場合、幇助行為は構成要件に該当する行為が広範囲に及ぶ傾向があり、幇助行為を適切な処罰範囲にとどめるためには、その主観的要素で絞りをかけざる得ない。

また、例を挙げるのであれば、同様に幇助の例が望ましい。
例えば、日本刀の主たる用途は人体の殺傷であるが、日本刀を利用した殺人事件が発生しても、作者たる刀鍛治が殺人幇助になるわけではない。
銃刀法という特別法があって初めて使用に至らない所持等が犯罪とされるにすぎない。
Winnyの用途はファイル交換であり、これは違法ファイルの交換に限られない。
犯罪行為での利用が主たる用途である日本刀ですら、その開発者は特別法なくして摘発されるわけではないのであるから、合法利用の可能性を持つWinnyの場合、特別法なくして摘発することはなおさら不合理である。

私の考えはこんなところでしょうか。
あと、Winnyを利用した違法コピーを煽った雑誌が何故摘発されないかが話題になっていますが、たぶんないでしょう。警察としても、こんな議論の分かれる微妙な問題については敵を絞りたいはず。マスメディアまでは敵に回したくないと思います。
分割して統治する、敵同士の離間工作を怠らないといったあたりは作戦の要諦でしょうから。

報じられている京都府警の「ソフトの技術自体は素晴らしい。ウィニーを開発したことをもって検挙したのではない」というコメントもさらになかなかなんだか、という感じです・・・。

Anonymous:

今裁判はどこまで進んでるんでしょうか?

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2004年05月10日 11:10に投稿されたエントリのページです。

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