昨晩へんな夢を見ました。
むかしむかし・・・、ではなかったっぽいのですが、ある地方都市に老舗のデパートがありました。駅前の真ん前の一等地に立っている、町の顔的な存在です。
かつては御歳暮といえばみんなそのデパートで買っていたらしいのですが、しかし次第に人が入らなくなりました。いえ、入らなくなったのではなくて、人はやっぱり入るのですが待ち合わせまでの時間つぶしのウィンドウショッピングばっかりになってしまいました。町の郊外には何千台分もの駐車場がある大きなショッピングーセンターもできました。若者たちはそっちの方に行ってしまいます。デパートに行くと駐車場代もかかってしまうので。
そんな状況なのでしまいにデパートは毎年赤字。このままやっていては黒字に転換できる見込みもありません。それでも経営者は町の中心部が空洞化していく中で町の顔として営業を続けていたのですが、時代の流れ(と赤字)には勝てず、店を畳むことにしました。
このデパート、閉店に追い込まれるような状況にはあったのですが、愛されていた存在であったことはたしかです。「今の妻との初めてデートの時はあのデパートの前で待ち合わせしたんだよ」なんていうおじさんもこの町にはたくさんいます。町の人はみんなデパートを愛していました。ウィンドウショッピングしかしないけど、でも愛していました。
そこで町の人たちは反対運動をはじめました。「閉店はんたーい、閉店はんたーい」とプラカードをかかげて週末ごとに店の前にやってきます。(でも別に可哀想だと思ってついでに中で何かを買ってくれるわけでもありません。)町の人たちはみんな味方なんだと分ったデパートの店員さんたちは閉店に反対してストライキをはじめることにしました・・・
・・・・え。どっかで聞いたことあるような話。目が覚めました。
でもなんだか変な構図です。寂れていく地方都市、町の空洞化。町の人たちは沈み行く同じ船の中でごちゃごちゃ揉めているだけ。揉めているあいだに経営者だけが悪者にされてしまったのですが、ホントに経営者だけ悪いんでしょうか。町の人たちが買ってくれないから赤字なんです。もちろん、だから町の人たちが悪い、ということになるわけでもないのですが。
誰かをワルモノのに仕立てて解決するような問題ではなくて。経営者が「折れて」じゃあ赤字だけど頑張って続けましょうといえば済む問題でもない。町全体の町おこしとか、そこまでいかなくても駅前の駐車場を無料にするとか、そういうことを考えるべきなんだと思うんですけどね・・・。
あのまま目が覚めなかったら続きのストーリーはどうなっていたんでしょう。ストは回避されたんでしょうか?回避された日のニュースにはデパート近くの人のコメントとして、「店員さんたちに感情的には同情するけれど、明日久しぶりに買い物に行こうと思っていたから決行されると困った」というコメントがでたんでしょうか?