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宝くじを買う人々

はてブで経由で行き当たったのですが、谷岡一郎「宝くじは社会的弱者への税金か?―JGSS-2000データによるナンバーズ・ミニロトとの比較研究:「Friedman=Savageモデル」の日本における検証を兼ねて―」(JGSS研究論文集)が非常に面白かったです。

宝くじを買うのは「ひとつ上のステイタスを求める」人々であり、しかも「機会がブロックされている」人々であるという仮説を統計的に検証している論文で、「「宝くじ」を買うのは社会的弱者」=「宝くじとは社会的弱者が心理的により誘惑される税金である。」というはなし。

中学・高校あたりで確率や期待値なる概念に出会って以来、なんで人々はなんでこんなものを買うのだろう?とは、ずっと思っていたわけですが。ただ、そもそも個人的な選好の問題として、たとえ同じ期待値でも(リターン大,確率小)と(リターン小,確率大)だったら後者をとるような慎重な(?)人間だからそういう感想をもつのだろう、他の人には違って感じられるのだろうなあ、と勝手に納得しておりました。

確率の問題を置くとしても、背景にこういう事情が浮かび上がるのなら、なんだかなあ、という感じではあります。もっとも、富くじに関する罪なんてものを刑法に設けておきながら公的にやっている点で薄々何かがおかしいと察知しなければいけないのかもしれませんね。ギャンブル一般についても同様な点でいろいろと面白いことがありそうです。

なお、本筋とは別に、論文のイントロのところも非常に興味深い。アメリカの独立戦争の戦費調達のために宝くじをやったとか、最初の一枚を買ったのがジョージ・ワシントンだったとか。その一枚は100ドルもしたとか。蘊蓄好きな方にもお勧めします。

コメント (2)

ぴーた:

なかなか興味深い論文ですね。確かにジャンボ宝くじやアメリカロトフリークにはこういう深層があるのかもしれない、と思いました。

他にも、競馬や競艇・カジノなどで射幸心を上手く「誘惑」されて、税金等w徴収されておりますよね…。いと恐ろし。

2年に1度くらい、庶民として納税に貢献しております。夢は即物的なのでインスタント。銀色部分をこする誘惑に負けています。笑。余談ですが、一緒に購入した友人は目の前で100万円当ててました。

おお。100万円の税金還付(笑)
当たり前ですが、当たる人もいるんですよねえ。

ギャンブルはエンターテインメントとしては良さそうなんですけどね。
頻繁になると厄介になるってことなんでしょうかね。

それにしても気がついたら本業を放り出して趣味に走り、
こういうのとか話題を呼んでるアメリカの最高裁判例とか、
読みまくっていることがあって困ります。。

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2006年07月06日 02:14に投稿されたエントリのページです。

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